韓国飲食業界で強烈な力を持つNaver Power Bloger
2009年3月、日頃お世話になっている先輩からの紹介で「ESSEN」という料理専門誌でお店を取り上げてもらえることになった。生まれて初めての雑誌の取材でとても緊張した。
Q.日本のどこでパンを学びましたか?
A.パンの専門学校には行っていません。アンゼリカという東京の下北沢で有名なパン屋で3年間修行しました。
Q.韓国と日本のパンの違いは何ですか?
A.パンはヨーロッパから入ってきた食文化ですが、日本はそれに少しアレンジを加えて日本独自のパン文化を築いてきました。例えば中にカレーを入れたカレーパン、あんこを入れたアンパン。パンの外側にクッキー生地をのせて外はサクサク中はふんわりのメロンパン。大胆にパンに焼きそばを挟んだ焼きそばパンなどが代表的です。それらを僕は日本のパンとして販売していることが韓国のパン屋さんとの違いです。
Q.韓国人のお客さんの反応はどうですか?
A.最初は値段が高い!と怒られたこともありましたがw一度食べて頂ければ理解していただけて、徐々にではありますがリピーターも増えてきています。
この雑誌は2009年4月に出版された。初めて雑誌の中に自分の写真が載っているものを手にしとても嬉しかった。これは明日から忙しくなるぞー!!と待ち構えていたのだが、次の日も次の日も特に売上が伸びるみたいな感覚はなかった。
韓国は日本のようにコンビニに雑誌コーナーなどはなく、雑誌を読む習慣もほとんど無い。銀行の待ち時間に待合室に置いてある雑誌を少し流し読みする程度だ。もちろんそれでも、雑誌は何種類か発刊されているのだから全く需要が無いわけではないが日本ほどではない。
しかし、5月20日事態は激変する。
急に朝からお客さんが絶え間なく来るのだ。
理由はわからない?
オープンして1時間で全てのパンが完売し、それでもどんどんお客さんはくる。
何で???
僕「雑誌をみて来られたんですか?」
お客さんA「いいえ、ブログを見てきました。」B「ブログを見て来ました!」C「ブログを見て来ました!」D「ブログを見て来ました!」E「ブログを見て来ました!」F「ブログを見て来ました!」G「ブログを見て来ました!」H「ブログを見て来ました!」
僕「何のブログですか?」
お客さんA「コスモスセブンです。」B「コスモスセブンです。」C「コスモスセブンです。」D「コスモスセブンです。」E「コスモスセブンです。」F「コスモスセブンです。」G「コスモスセブンです。」H「コスモスセブンです。」
なんだそのコスモスセブンってーーーーーーーーーーー???
アルバイト「ネットで調べてみます。。。。。。。。。。あーこれですね。Naverのパワーブロガーです。」
これがその時の記事。2009年5月19日
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調べてみると、このパワーブロガーは世界中の美味しいレストランを食べ歩いている韓国では超有名なブロガーで、知らないうちにいつの間にか来店されていて、記事に書いて絶賛してくれていたのだった。
そしてその記事を読んだ読者が一気に駆けつけたのだ。
次の日も次の日もお客さんが絶えることがなくなって、いくらパンを作っても作っても、とても1人で間に合う量ではなかった。しかも、そのお客さんの数は日に日に増えていく。
理由はパワーブロガーの読者にもパワーブロガーが沢山いてどんどん拡散され、それこそまさにねずみ講のように情報が倍、更に倍となってTokyoPanyaの名はたちまち広まった。
後日、そのパワーブロガーがどのお客様かということが判明し、お礼をいうと、きっかけはあの雑誌を見て来てくれた事がわかった。
僕の中でいつになっても忘れることは出来ない、感謝してもしきれない、そんな機会を与えてくれた雑誌とパワーブロガーの話。
そして1本の電話がかかってきた。
「デパートに出店するお考えはありませんか?」
つづく、、、
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